BI = ベーシック・インカム。
先日開催された人工知能学会の全国大会で「ベーシック・インカム」というキーワードを何回か聞きました。私自身はベーシック・インカムにあまり興味がなかったので、ボーッと話を聞いていただけなのですが、ふと別にベーシック・インカムを配分する先は人間(だけ)じゃなくてもいいんじゃないかと思いつきました。例えば猫とか。
もちろん猫に財布をもたせることはできないので現金を渡しても意味はありませんが(まさに猫に小判)、SUICAのような電子的決済手段ならマイクロチップで埋め込むことができるかもしれません※。猫が買い物に行くというのも難しいので、何か有料サービスを受けるときにはマイクロチップでピッと決済しないといけないというように躾ける、というのはどうでしょう。オフィスで見かけるウォーターサーバーのように定期的に餌を入れ替えてくれる自動給餌器を町中に設置して、お腹が空いたら猫がピッと決済して食べるなんてことができるかもしれません。
※ ふと思ったのですが、人間へのベーシック・インカムの支給って実際にはどうやるんでしょう。まさか各家庭に現金書留送るわけにはいかないし、役所に一々もらいにいかないと行けないとなると窓口が大混乱しそうです。マイナンバーに銀行口座番号とか紐づけちゃうのでしょうか。
世の中悪い人がいるので、捕まえてきた猫あるいは自分の飼い猫のベーシック・インカムを利用して自分の買いたいものを買おうとする人が出てくるかもしれません。(ようするに詐欺師です。)そういうのを避けるためには猫の電子ベーシック・インカムは購入できるものを制限する必要があるかもしれません。生魚はOKですが、マッサージサービスはNGとか。いや世の中には猫向けマッサージサービスもあるかもしれません。何を購入していいのかをどう決めるのかの議論も重要です。
世の中何匹猫がいるかわかりませんが、猫BI市場はそれなりに多そうです。猫(を世話している人間)にアピールするためのマーケティング技術などの開発も進みそうです。また中には自分の愛猫に自分のBIを譲りたいと考える人も出てくるかもしれません。しかし、そうする人から可愛がられる猫には沢山BIが流れ込む状況(「猫も見た目が9割」なんていう本が出版されるかも)になると、BIの平等性に疑問が生じてきます。となると、BIは他人(他猫?)に移管できないようにするべきなのでしょうか。しかし、そうするとサービス購入のための移管とそうでない譲渡はどう区別したらよいか、という問題が出てきそうです。
さらに根本的な問題としては、そもそも猫が自発的にBIを使っているのか、それとも巧みな誘導により使わされているのか、BIの権利行使の意識があるのか、そんなことを検証できる仕組みがないと猫を利用する犯罪はなくならないかもしれません。猫に一々意思確認をするわけにはいかないので、猫の生体情報から自動的に判定する装置があると助かります。(装置が自発的購入ではないと判定した場合は支払いがストップする仕組みです。)本当に悪い人は猫からBIチップを奪ったりあるいは昏睡状態や催眠状態において、意のままに猫BIをコントロールしようと考えるかもしれません。そういう可能性も考えると生体情報のモニタリング、および、猫BI取引情報との照合は猫BIそのものの存続にとって必須技術となる可能性があります。
… というような妄想をして楽しかったという話です。ちなみに猫を人に置き換えても同様の話は成り立つのかもと思いましたが、BI自体にあまり興味がないので、これで終わります。