紙の本が好きです。
電子書籍は便利で買いもしますが、やはり紙の本が好きです。とはいえ「紙の本を読むという経験は電子書籍では到底再現できない」とうそぶくだけでは、紙の本の未来はちっとも明るくなる気がしません。やはり「これは紙の本じゃないと無理でしょ」ということがないと、レコード盤のようにニッチなアイテムに衰退していく気がします。
というわけで、最近読んだ本で「これは紙の本じゃないと無理だな」というものを紹介します。
本を開かないとわからない仕掛け
この本にはある仕掛けがあります。是非手にとって「開いて」みて下さい。開いて何も気づかない時は一旦閉じて四方八方からよく眺めて下さい。何か変わったところに気づいたら、また開いて「見て」下さい。
電子書籍化不可能
この本はゲームブックと呼ばれるもので、最初から最後まで通して読むのではなく、本文に示される謎を解きながら、あっちこっちのページを行ったり来たりして読み進めてきます。その謎解きに必要なヒントが、紙の本でないと絶対に実現不可能な形で散りばめられています。
ちなみにこの本を買う時は新品を買うことを強くおすすめします。
本の未来
今回取り上げた本は例外的で、大部分の書籍は紙でないとできないことはやっていません。一方、電子書籍の方も単に媒体を変換しただけの本が大部分です。タブレット端末が出てきた当初は実験的な試みもあったように思いますが、新しい定番となる形式が生まれたという印象もありません。そもそも本を読む人がどんどん減っている世の中で、紙と電子でパイを奪い合うようなことをしていても仕方ないと思うのですが。
ダーウィンは、生き残るのは強いものでも賢いものでもなく変化に適応できるものである、と言ったとか言わなかったとか。本がこれからどうなるのか楽しみです。